東洋医学の得意とする「不問診断」で救われた。
2024.09.05
一般的に患者さんの治療を始める時、
「どうしましたか?」と問診する訳ですが、日本人どうしで日本語で、お互い理解できる時は困らないのですが、
お互いの言語が通じない時が困ります。
27歳で渡米し、日系二世「テッド林田氏」が経営するカリフォルニア州サクラメントの鍼治療院での事です。
そこで働く事になり、何せ英語が十分話せないので仕事を手伝う事ができません。
住まい食事は無料で、お世話になっており、心苦しい立場にあった訳ですが、、
当時、米国で鍼治療する所が少なく、他の州からも大勢患者さんが来院されてました。とても忙しい状態でした。
私は、ただボーと立っていましたら、テッド先生が、「イムタ先生、治療に入って下さい。」との指示。
「僕は英語ができないのですが、それでもいいのですか?」と尋ねましたら
「大丈夫ですよ、カルテがありますから、しゃべれなくても活字はよめるでしょう?」
「はいわかりました。」と返事し治療に入りました。
ドクターテッドが、「英語が分かったふりして、ウフン、ウフンと、ジェスチャーすれば、何とかなりますよ」との事。
度胸を決めて、
受付から、カルテを預かり、治療を始めました。
案の定、何をいっているのか?分からない。
「ウフン、ウフン」と受け答えし、治療を終了。80歳ちかいおばあさん大喜び。
受付に、その患者さんのカルテを戻したら、
受付女性が「これ誰のカルテ?」
「あのOLD LADYのだ」と言いましたら、「違う患者のカルテ」との答え
「エッ」と驚いて
院長(テッド先生)に、そのミステイクを伝えましたら。
「そのオールドレディは喜んだか?」
「ハイ、大変喜んで抱きつかれ、チューされそうになりました。」
「それなら、OK」 との答え
私は、喘息と思って治療したのですが、実際は頚腕症候群の神経痛だった訳です。
この二つの疾患のツボは重複する部分も多いため、触診し、筋肉が凝っている所に鍼治療をしますと、ある程度は、効果は出ます。
言葉は通じなくても、不問触診治療で事無きをえました。
クワバラ クワバラ 冷や汗でした。