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過敏な患者さんの鍼治療

2024.09.05

 

 

 

初めて鍼治療を受ける患者さんは、ほぼ100%鍼治療が怖いとおっしゃいます。

縫い針を手に刺して痛い思いをした経験があるから、当然だと思います。

 

 

針には太さと長さがあります。様々な患者さんの症状にたいして、使用する針の種類を選ぶ訳ですが、当院の場合、寸3、2番という針を多く使います。

寸3とは1寸3分の長さ(全長約6㎝、刺入するのは1㎝程)

2番というのは太さを表し、針の直径が0.18㎜で髪の毛よりは太いです。

 

注射は大嫌いという方は、ほぼ皮膚感覚が鋭敏ですので、1番針(直径0.16㎜)を使う事もあります。但し、患部が深い場合、あまり細い針は適しません。

細すぎると針のこしが弱く、フニャフニャし、正確に患部に針を命中させる事が困難になります。

 

患部の深さによって、針の長さも変えます。(相対的に、長い針は太さも増します。)針を刺入する時、痛くない刺入方法でしますので、痛みはほとんどありません。但し、毛穴や毛細血管に針先があたると「チカッと」痛い時があります。その針は良い治療効果を出す事ができませんので、刺入した針に痛みを感じる場合は、施術者に、その旨伝えてもらい、抜針してやり直します。

 

大体3回程治療して症状経過を追いますと、患者さんの体質がわかってきます。

治療の内容を濃くし過ぎますと、ぐったりしたり、反応が強く出る恐れがありますので、「腹八分」という言葉がありますが「治療も八分」位が良いようです。

 

 

随分前になりますが、ある女性(55歳)が、肩の痛みで来院された事がありました。皮膚が過敏だとの事でしたので、弱い刺激で治療を終了しました。皮内針(ひないしん)という皮膚に留める針を5本し帰宅して頂きました。その後3時間程して電話がかかってきて、「痛みがかえって強くなりました。どうしたらよいですか」 「すぐ来てください」と、お願いし、4本の針を取り除き、1本だけ残し帰宅してもらいました。それっきり肩の痛みが取れたとの事。後日お聞きしたのですが、アナフィラキシーがあるとの事でした。こんなに過敏な方もいらっしゃるのか?と驚かされました。