めまい(眩暈)と鍼治療
2019.04.29
めまい(眩暈)と鍼治療
めまいの原因は、内耳の三半規管等 平衡機能を司る所の病気で起こる事が多いですが、内耳の平衡機能をコントロールする脳(脳幹や小脳)の病気に起因する事もあります。
東洋医学においての鍼治療について述べてみます。
めまい症状を訴えている患者さんの場合、触診しますと、頚部、肩、上背部に凝った状態が認められます。
凝りがあった場合、その部分に、うっ血状態がある為、身体の機能異常が生じます。
組織に酸素を十分含んだ新鮮血が流れていれば、身体の生体機能は保たれますが、うっ血の場合(酸素欠乏)は、身体各部の正常機能が低下します。その一つの症状が、めまいと考えられます。
血液(新鮮血)は心臓より末端に流れて行きますが、酸素欠乏に最も敏感で影響を受けやすい器官は、脳と考えられます。
脳は全身の生命活動をコントロールしています。
脳(平衡感覚に関係する小脳は、後頭部にあります。)、耳(三半規管)に通じる血流は、頚部を通っていくので、頚の筋肉の凝りを、取り除くのは、とても重要になります。
当院の治療方針としましては、首、肩、背の凝りを取り除くべく、マッサージを施します。(場合によっては背部全体 腰、足までマッサージします。東洋医学における全体治療→病気を身体全体でとらえる考え)
その後、凝りの強い部位に鍼治療をします。
必ず使うツボとしましては、天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、完骨(かんこつ)、翳風(えいふう)など。(ツボの名前が特になくても、凝りの強い所、頚肩周辺の異常部位)
めまいを生じさせた原因(心因性ストレス等)がある場合は、それを取り除くこと。
原因が解決してない内は、治療をしても、効果は期待しにくいです。
原因がない状況であれば、治療する毎に、症状は快方に向かいます。
治療頻度としましては、週に1~3回位でしょうか?(症状の程度、また治療内容によります。)
3ヶ月程治療を続けますと7~8割の方は改善していきますが、なかなか改善しにくい方もいます。
一時良くなっても、疲れ(ストレス)がたまり、同じような症状を訴え、再来院される方もいらっしゃいます。
めまいを訴える患者さんも千差万別です。