おじいさんとの想い出
2018.05.24
40数年前、鍼灸師として駆け出しの頃、田舎(鹿児島)に盆休みに帰った時の事。
祖父さんが「お前は鍼の勉強をしよっとか。じゃったら、俺の体に針を打ってみい」と言った。
当時、私は東京江戸川区南小岩にある(今もあります。)養命閣鍼灸院に勤めていた。
「じゃ、じいさん針を打つで」という事で、先輩先生方に教えて頂いたやり方で針を刺していたら、祖父さん「お前ん鍼は、いっちょん効かん。もっと効かせ」との事。
「じいさん、都会じゃ、このやり方で治療しよるよ。」
祖父さん「俺には効かん」「じゃあ、もっと強くやるよ」
グイグイ針を刺し込んだら「ああ良かふうじゃ、やっと効いてきた。気持っが良か。」嬉しそうな顔。
鍼の打ち方も、土地土地、また患者さんの仕事(祖父さんの仕事は農業、肉体労働)によって随分違うんだなあ と考えさせられた。
とっても、お世話になった患者さんがいる。ぐうさんと言う在日朝鮮人の女性 と言っても、当時65歳位の方。この方が、強い鍼を好まれた。どんな深い鍼強い鍼も打たせてくれた。
とっくに、あの世に行かれていると思いますが。
勉強させて頂いて有難うございました。 感謝 感謝
伊牟田
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